初心者でも飼育できるおすすめ爬虫類と犬や猫との飼育上の違い

空前のペットブーム以降、犬や猫といったメジャーなペットはもとより、爬虫類の需要も増えてきました。爬虫類は一見怖そうに見えて、犬や猫にはない魅力がたくさんありますし、そこに心を打たれる方も多いでしょう。

今回は初心者でも飼育しやすいおすすめ爬虫類を『トカゲ』『カメ』『ヤモリ』の中からそれぞれご紹介していきます。

目次

1犬猫と爬虫類の違い

まず、爬虫類は決してメジャーなジャンルとは言えません。それは知名度だけでなく、犬や猫とは根本的に違う部分が多いことにも関係してきます。ここでは、そんな犬猫と爬虫類の違いについて見ていきましょう。

1,1人に懐くのではなく慣れるもの

犬や猫などのペットは初めこそ人を警戒しますが、時間が経つにつれて警戒心を解いて懐いてくれます。特に犬は忠誠心も高いため、ペットというよりもパートナーのイメージが強い人も多いでしょう。

対して爬虫類の多くは、人に懐くことはありません。理由は所説ありますが、一般的には『単独行動が基本』『爬虫類は哺乳類に比べて知能が低い』とされています。ただし、懐く事はありませんが、長く一緒にいる事で外敵ではないと判断してくれるようになり、これが人に慣れているという状態に当たります。

1,2爬虫類は昆虫が好き

爬虫類のご飯といえば、コオロギなんかを思い浮かべる人も多いかと思います。実際その認識はあまり間違っておらず、トカゲなどは生きた昆虫を食しています。他にも、小鳥やネズミを食べる事もありますね。

一応、爬虫類専用のフードも販売されていますが、餌にこだわりをもっている子は生餌以外食べません。「虫は気持ち悪くて無理」「小鳥やネズミは可哀そう」というような苦手意識を持っている方は、なるべく専用フードを食べてくれる個体を探しましょう。

1,3診察できる病院の数

ある意味で、犬や猫との最大の違いは病院の数と言えるでしょう。実際、犬や猫を診察してくれる動物病院はよく見かけますが、爬虫類も含めた『エキゾチック可』という病院はあまり見かけません。それもそのはずで、エキゾチック可の病院は全国でも400件超しかないのです。

さらにエキゾチック可の病院であっても、ヘビのみ可など特定の爬虫類しか診られないという場所もあります。基本的に爬虫類は丈夫な動物ですが、無敵ではありません。飼育する前に、予め診察できる動物病院を見つけておくことをお勧めします。

2初心者におすすめの爬虫類~トカゲ~

爬虫類ペットの中でも王道の立ち位置に君臨しているトカゲ。爬虫類の中では人に慣れやすい子も多く、見た目の愛くるしさから熱狂的なファンも多いです。では、おすすめのトカゲをご紹介していきます。

2.1ニホンカナヘビ

ニホンカナヘビは身体の半分以上が細長い尾というのが特徴的なトカゲで、名前のとおり日本国有種のトカゲです。トカゲでありながら『ヘビ』というややこしい名前をしていますが、これには所説あって『トカゲはヘビの祖先だから』や『金属色でヘビのようなトカゲ=金蛇』と言われています。

やや神経質な性格で、ペットショップで購入するならともかく、野生のカナヘビを捕獲するなら時間をかけて人に鳴らしていく必要があります。野生では昆虫をよく食しているため、餌は基本的に生きたコオロギなどを与える事になりますね。また、個体によっては人工餌を食べてくれる事もあります。

2.2アオジタトカゲ

アオジタトカゲはずんぐりむっくりした体形と短い手足が特徴的なトカゲで、その見た目からツチノコの正体なのではという説があります。名前の由来は『青舌トカゲ』で、メラニン色素によって舌が青くなっていることから。

人に慣れやすいトカゲとしても知られており、飼育初心者の方にもよくおすすめされています。食性は昆虫を主食とした雑食性で、個体によっては人工餌を食べてくれる子もいます。

2.3フトアゴヒゲトカゲ

フトアゴヒゲトカゲは平べったいながらも太い姿が特徴的なトカゲで、オーストラリア東部にある赤砂で覆われた森林地帯に生息しています。名前は威嚇する時に喉を黒くしながら膨らませるのですが、その時の姿が顎髭を生やしているみたいというのが由来。因みに、全身にあるトゲはゴムのような感触で、触っても痛くありません。

トカゲの中では温厚な性格に入るようで、人に慣れやすく初心者でも飼育しやすいとされています。食性は雑食性で昆虫や野菜、果物も食べますが、基本的に生きた昆虫が好物です。

3初心者におすすめの爬虫類~カメ~

カメは万年ともいうように、昔から縁起の良い動物として親しまれてきたカメ。飼育も水質に気を付けていれば難しくないため、ペットとして迎え入れている人も多いですね。では、おすすめのカメをご紹介していきます。

3.1クサガメ

クサガメは半水棲のカメで、主に流れの緩やかな川や水田に生息しています。背甲長はオスが20㎝程度、メスが30㎝程度とメスの方が大きいのが特徴。特に日本のクサガメは大型になりやすいため、飼育の際はオスの方がおすすめです。

クサガメという名前は臭亀という意味で、威嚇する時などに強い臭いを出してきます。ただし、飼育する分には威嚇する事もあまりないため問題ありません。雑食性で水草や昆虫など色々食べる他、人工餌を食べてくれる個体も多いです。

3.2ニホンイシガメ

ニホンイシガメは水棲のカメで、その名の通り日本固有種です。江戸時代の硬貨である銭に似ている事から、幼体は『ゼニガメ』とも呼ばれています。因みに、現在はニホンイシガメの個体数が減少している事や、見た目がクサガメと似ている事から、クサガメの幼体をゼニガメと呼ぶ事も多いです。

個体数の少なさから、地域によっては絶滅危惧種とされていますが飼育自体は規制されていません。日本出身ゆえか温厚な性格をしており、比較的飼育しやすい部類のカメとされています。食性は雑食性で、人工餌を食べてくれる事も多いです。

3.3ミシシッピニオイガメ

ミシシッピニオイガメは水棲のカメで、川や沼池などに生息しています。背甲長は10~13cm程度しかなく、子供に至っては十円玉くらいしかありません。もちろん、飼育できるカメの中でもかなり小さい部類に入るカメです。

「ニオイ」という単語からも分かる通り、威嚇する際に強い臭いを出してきますが、適切に飼育している分には問題ありません。食性は肉食よりの雑食で、メダカやエビを細かくした物や人工餌も食べてくれます。『カメを初めて飼育するならコレ!』と言われるくらい、初心者におすすめのカメですね。

4初心者におすすめの爬虫類~ヤモリ~

ヤモリは家守と書くように、昔からありがたい存在とされてきました。そんなヤモリの中でも、特に人気なのが『ヒョウモントカゲモドキ』『ニシアフリカトカゲモドキ』の2種。ここでは、この2種についてご紹介していきます。

4.1ヒョウモントカゲモドキ

ヒョウモントカゲモドキは『豹紋』の身体が特徴的なヤモリで、英名ではレオパードゲッコー(レオパ)と呼びます。名前の由来は『豹紋のあるトカゲみたいな生物』という意味から来ています。人気の高さから品種(モルフ)が多く、「この色が好き!」みたいにお気に入りの子を見つけやすいです。

性格は温厚かつ陽気で、人に慣れやすいため『爬虫類初心者におすすめ』という声も多いです。ただ、餌は生きた昆虫を好物とするため、そこだけは覚悟しましょう。

4.2ニシアフリカトカゲモドキ

ニシアフリカトカゲモドキはずんぐりむっくりとした体形と太い尾が特徴的なヤモリで、英名もアフリカファットテールゲッコーと呼びます。ヒョウモントカゲモドキと並んでヤモリ界のスター的な存在であり、品種(モルフ)も多いです。

性格は温厚ではあるものの、やや神経質で臆病。餌は生きた昆虫が好物です。ヒョウモントカゲモドキと飼育難易度はあまり変わらないため、好きな子を選ぶ感覚で大丈夫でしょう。

5爬虫類をしっかり理解して飼育しよう

爬虫類は『水に棲む』『生餌を好む』など、犬や猫とは全然違う生態をしています。そのためかどうしても飼育するハードルが高く、興味があっても飼うのを躊躇してしまう人も多い印象です。

しかし、それを超えてでも飼育したいと思えるほどの魅力があるのも事実。ちゃんと事前知識があれば初心者でも十分飼育できるため、これを期にペットショップの爬虫類コーナーを見てみませんか?

天国への扉コラム