梅雨時はジメジメしてて嫌な気分になってしまいがちですが、それは犬にとっても同じこと。いつも楽しみにしている散歩も天気によってはできないですし、高温多湿な環境は体調的にも好ましくありません。犬の具合が悪くならないように、飼い主様が気をつけなければいけないことはたくさんあります。
梅雨さえ乗り切れば打って変わって気持ちの良い夏が始まります。もちろん夏は夏で気をつけなければいけないことはありますが、じめ〜っとした梅雨時よりも楽しいイベントが待っています。梅雨を乗り越え、元気な状態で夏を迎えましょう
今回は梅雨時に気をつけたい犬の体調管理や留守番させるときにしておきたいことについて解説していきます。
目次
梅雨時に注意すべき犬のトラブル
そもそも梅雨がここまで警戒されるのは、普段の日常とはほど遠いほどの高い湿度と初夏ゆえの高い気温が原因です。いつも警戒している下痢や皮膚炎などの病気も特に梅雨時は起こりやすく、よりいっそうの警戒が必要になるでしょう。
ここでは梅雨時に注意すべき犬のトラブルと対処法について解説します。
下痢
梅雨時に動物病院に犬を診察してもらいにくる飼い主様の多くは下痢関係だと言われています。厄介なのが、下痢というのは必ずしも原因が一定ではないということ。暴風雨や雷に怯えたり、散歩が出来なくなって不満などのストレスが下痢を引き起こすこともありますし、ご飯が傷んでいたり、道端のものを拾い食いしてしまって下痢をする子もいます。
下痢に対処するには起こり得る可能性をすべて排除するのが手っ取り早いです。軽い雨程度ならなるべく散歩に行く、拾い食いをしないように気をつける、ご飯が傷んでいないかよく確かめる、この3点は徹底してください。特にご飯はドライフードなどの含有水分量が少ないものであっても痛むのが早いです。
他にも、愛犬を心配しすぎて水を多量に飲ませることも危険。冷たい水で胃液を薄くさせてしまい、下痢を誘発させてしまいます。上述したものもふくめ、【口に入れる物全般】には 細心の注意をはらいましょう。
また下痢は細菌などウイルスが原因で引き起こす場合もあります。そういった場合は下痢以外にも血便や悪臭、下痢の他に嘔吐もするなどの症状が一緒に出てくることが多いです。もしこれらの症状が見られた際は早急に動物病院を受診してください。
細菌による病気
高温多湿な環境では細菌による病気が発症しやすいですが、犬の場合は外耳炎の危険が非常に高いです。外耳炎は耳垢の量が増える、耳を異常に痒がる、耳から異臭がする、耳を床に擦り付けるなどの症状がありますので、これらが見られた際は外耳炎を疑った方が良いでしょう。
外耳炎は早期に発見されできれば天耳薬や内服薬を用いて1週間程度で完治できる場合が多く、医療費も数千円ぐらいで済みます。逆に重症化していればそれだけ犬に負担がかかりますし、医療費もかさんでしまいます。耳の異常には敏感でなければいけないのです。
外耳炎は耳が垂れている犬種や外耳道に毛がたくさん生えている犬種が発症しやすいため、特に気をつける必要があります。耳が垂れ下がっている犬は見た瞬間になんとなく分かりますよね、外耳道に毛が生えている犬はプードルやミニチュアシュナウザーなどが該当します。
皮膚炎の悪化
高温多湿な環境である梅雨時は皮膚炎にも注意が必要です。特に犬アトピー性皮膚炎を患っている犬は悪化してしまう恐れがあります。犬アトピー性皮膚炎はダニやカビ、ハウスダストなどのアレルゲンに過剰反応して起こる皮膚炎ですので、梅雨時はさらに気を引き締める必要があるわけですね。
対策としてはやはり部屋の湿度・室温管理とベッドや床などに潜むダニを退治すること。こまめな清掃はもちろん、ダニの駆除剤やアレルゲンが付着するのを防いだり、自分の皮膚を過剰にかくのを防ぐために服を用意するのも効果的です。
犬アトピー性皮膚炎を患うことは決して珍しくなく、日本で有名なところでは柴犬やプードルなどが発症しやすいとされています。ちゃんとした対策をして、皮膚炎の悪化を避けましょう。
食中毒
梅雨時に恐ろしいのがこの食中毒、ご飯が痛みやすいのはもちろん、道端に落ちているものも雨に濡れておかしくなっています。散歩の時、少しでも目を離すと拾い食いしてしまうかもしれませんので、絶対に目を離さないでください。
食中毒は人間でも気をつけなければいけないものですが、それは犬も同じこと。食中毒になると下痢や嘔吐、血便などの症状が見られますので、これらの症状が見られた際は動物病院にて診察してください。
食中毒の対策ですが、とにかく危険なものを食べさせないこと。ウェットフードはもちろん、ドライフードも水分を吸ったり酸化してしまいます。消費期限のみを基準にせず、見た目や臭い、愛犬の反応も加味して判断しましょう。また食器やしつけ用の道具などもこまめに洗ってください。
熱中症
梅雨は雨のイメージしか浮かばないかもしれませんが、時期的には初夏……つまり気温が高くなる時期です。また梅雨時は喉の乾きを実感しづらいため、意図的に水を飲ませないと脱水症状になることもあります。また、屋外のみならず室内でも注意が必要です。
特に近年の夏は前年を常に上回るレベルで暑くなってきており、6月だと言うのに40℃を超える場所もあるぐらいです。また6月だからとエアコンを渋っていると一気に室内が危険な環境へと早変わりしてしまいます。電気代も大切ですが、愛犬の危険となれば話は別、しっかりと温度管理を徹底しましょう。
散歩の際はペットボトルを常備し、適度な休憩と給水を忘れないでください。
散歩に行く時
「雨だし散歩行きたくないなぁ」と散歩が憂鬱になるのも梅雨の嫌なところですが、基本的に多少の雨ならば散歩に行くことが推奨されています。雨を理由に散歩しないといつまで経っても散歩できませんし、犬も体を動かさないと不調になったりストレスを溜めてしまいます。
散歩に行く際はいつもの飲み物の他にも雨具などなるべく濡れない格好をして、いつもよりも短い散歩コースを選んであげましょう。また、タオルを持っていくと休憩中に拭いてあげられます。年のため、家に帰った時に玄関で拭いてあげられるように玄関にタオルを置いておくと安心です。
タオルで体を拭く時は肉球なども丁寧に拭いてあげてください。中途半端に足が濡れていると炎症を起こしてしまいます。また、雨の日は暗くなるのも早いです。なるべく明るいうちに散歩をして、暗くなる前に帰りましょう。
梅雨時に犬を留守番させる時にしておきたいこと
犬を留守番させるのはいつだって不安ですが、梅雨時はさらに心配です。暑いのはもちろん、水も時間が経てば傷んでしまうかもしれません。少しの外出でも、万全の準備をしてからお出かけしましょう。
ここでは梅雨時に犬を留守番させるならやっておくべきことについて解説します。
エアコンは常に稼働させておく
エアコンは少しの外出でも基本的にフル稼働しておいた方が安全です。初夏の暑さと梅雨特有と湿度は犬にとって体調を崩すほど危ない環境、涼しくさせるのはもちろん除湿も設定しておきましょう。なぜここまで室温と湿度にこだわるのか、それは犬が熱中症にかかりやすいからに他なりません。
犬は私達のように身体全体から汗を流すことができず、肉球などのごく一部でしか汗が出てきません。そのため、舌を出して口の中の水分を蒸発させ気化熱で体内温度を調節(パンティング)するのですが、梅雨時は湿度が高いため中々水分が蒸発しないのです。毛皮で覆われ、更にパンティングの効果も薄いのであれば熱中症にかかりやすいのも無理ないでしょう。
犬にとって一番快適な環境は室温が25度〜26度、湿度が50%ほどだとされています。「窓を開けているから」「今日はそんなに暑くないから」と渋らず。きちんとエアコンを使用しましょう。
給水器を使用する
高温多湿な環境では水も痛むのが早いですし、愛犬の毛やよだれから細菌が入ってきてしまう可能性もあります。長時間の外出を考えているのなら犬用に給水器の導入を検討しましょう。目が見えない犬用に泡で場所を知らせるタイプなどバリエーションも豊富ですし、きっと愛犬にあった最適な給水器が見つかりますよ。
また給水器は夏に差し掛かるという点でも導入をおすすめします。本格的に暑くなってきたら水の取替頻度も増えますし、給水器であればいつでも新鮮な水を飲ませてあげられます。値段もそこまで多くを求めなければ3000〜5000円程度で済みます。
犬用に涼める場所を用意しておく
エアコンによる環境づくりも重要ですが、それでも暑い時のために愛犬が涼める場所を作っておくとより安心ですよね。そんな時におすすめなのが犬用のクールマット、値段は数万のものもあれば数千円程度で購入できるものもありかなり幅広いです。
また種類も豊富で、場所を選ばずに使用できるジェルタイプ、放熱性が高いため涼みたいならピッタリなアルミタイプ、和風な雰囲気がおしゃれなござタイプや石タイプのものなど、好みによって選べます。エアコンと給水器、クールマットを揃えれば梅雨を超えて夏の真っ盛りでも涼しい環境の出来上がりです。
梅雨の憂鬱な気分に負けないようにしよう
梅雨時はどうしても暗いイメージがありますし、犬にとっても警戒しなくてはいけない点が多いです。特に近年は6月とは思えない暑い日も多く、今まで以上に熱中症や脱水症状にも気をつける必要があります。しかし、梅雨さえ抜ければカラッとした夏に突入します。
梅雨に備えて購入するものの多くは夏でも大活躍しますし、夏は夏で楽しいイベントが多いです。今年はコロナに注意を払いつつも、徐々に開催できるイベントも増えていることですし、梅雨を元気に乗り越え、夏を目一杯楽しみましょう!