ペットの健康診断って何をするの?各審査項目の内容について

私達も定期的に受けている健康診断。当然ペットにも健康診断はありますが、実際にはどんな審査をするのでしょうか。特に初めての方は『いつ』『なんのために』『どの項目を受けるのか』が分からない事もあるでしょう。

今回はそんなペットの健康診断についてお話していきます。

目次

1ペットの健康診断と健康維持

人間も健康診断を行いますが、そもそもなぜ健康診断をすべきなのかについて考えた事はありますか?ここでは、健康診断の重要性や適切な頻度についてお話ししていきます。

1,1ペットの健康診断はなぜ必要なのか

健康診断は重要……ということは誰しもが分かっているかと思いますが、だからこそ『なぜ必要なのか』について改めて考えてみましょう。ペットは家族であっても人間ではなく、まして自分自身でもありませんから。

そもそもの健康診断の目的は『病気の早期発見、早期治療をするため』です。世の中には自分では知覚できない病気も多く、そういった病気の前兆を見逃さず、予防に努め、何かあればすぐに治療できるよう備えるのが健康診断です。

特にペットの健康診断においては『知覚できない病気』というフレーズが重要です。ペット自身も気付いていないとなれば、飼い主も気付かないケースがほとんど。それに、例えペット自身が違和感を感じたとしても、ペットは自分の意志で動物病院に行けるわけではありません。ペットの中には、弱みを見せないように我慢する子も多いですしね。

そういったケースを考えた時、健康診断は『ペットが健康かどうか』というペットや飼い主ですら明確にできない事を確認するために必要だという事です、

1,2健康診断の頻度

健康診断は定期的にとは言いますが、具体的な頻度についてはあまり知られていません。そこで、実際にはどれくらいの頻度で行けばいいのか説明していきます。

まず初めに、ペットを飼い始めた直後は必ず健康診断を行ってください。ペットショップでも健康診断を行いますが、稀に『異常なし』と判断されていても病気が見つかるというケースがあります。念には念を入れる……という事ですね。

その後はペットの体調や年齢によって頻度を変えていきます。若く健康的であるなら一年に一回で十分ですし、老いてきたり身体に問題がある場合は回数を少し増やした方が安心です。

また、健康診断は明らかに元気な状態であっても行うようにしてください。腎臓病を始めとして、初期症状だけでは病気だと分かりづらいケースもあります。それに、本当に健康だったとしても『健康の時のデータ』が取れれば、病気になった時に獣医師が参考に出来ますので、どっちの場合でも無意味になる事は決してありません。

1,3健康診断以外に飼い主が出来る事

健康診断以外でも、飼い主がペットの健康のために出来ることは多いです。栄養バランスの整った食事、適度な運動、飼い主自身によるペットの健康チェック……こういった日々の積み重ねが健康維持には必要不可欠。

また、少しでもペットの行動に違和感を感じたら動物病院に相談するというのも大切です。

2健康診断の主な診査項目

健康診断では多くの審査項目があり、最初のうちはどれを受ければいいのか困惑してしまいます。そこで、ここではペットの健康診断ではどのような事をするのかについてお話していきます。

2,1基本の『問診』

問診(もんしん)では、ペットの普段の様子や生活習慣について飼い主とお話しします。食事の様子や運動の有無、排泄は正常にできているかなどを質問されるため、分かる範囲で答えていきましょう。

ここで重要なのは『どんな些細な事でも申告する』という事です。「何となく排泄の回数が多い気がする」「ちょっとだけ足を気にしている気がする」など、本当に少しでも疑問に思った事があれば相談してみましょう。

病気でなくても、何か生活に関する気になる点があれば申告する事で、獣医師もアドバイスをしやすくなります。

2,2五感で診察する『触診・聴診・視診』

健康診断といえば触診(しょくしん)、聴診(ちょうしん)、視診(ししん)の3つをイメージする人も多いでしょう。獣医師がペットを五感で確認する事で、身体に異常が無いか確認します。特にペットが痛がる箇所、しこりの有無、心拍数などは重点的に見ます。

また、病院によってはこの項目で体重測定を行います。毎日体重が明らかに上下するならともかく、緩やかな変化は傍目からでは分かりづらいものです。病気の初期症状や生活習慣病の兆候は体重に反映させるケースも多いため、しっかりと数値化する事が重要です。

2,3身体の中を診る『血液検査』

血液検査はペットの血を採取して、貧血やホルモンの異常、血糖値、臓器の異常、高脂血症などが見られないか確認します。

ここで重要なのは、調査の結果が必ずしもそのペットにとって正常だという保証はないということ。検査では『正常値と比較して低い、又は高いかどうか』は分かりますが、それによってすぐに病気になるという訳ではありません。反対に、正常だから問題がないという物でもありません。

あくまで兆候があるかどうかを見るだけですので、小さい時から定期的に血液検査を行い、その子にとっての正常値を見つける事が大切です。

2,4寄生虫や感染症を察知する『尿検査・便検査』

尿検査や便検査から分かる事は多いです。例えば、尿を検査すれば腎臓の様子や尿路結石の有無について分かります。便を検査すれば、寄生虫に感染していないか、食事の消化はちゃんと出来ているのかが分かりますね。

特に子犬や子猫は寄生虫による感染報告が多くなるため、一回は検査する事をおすすめします。

2.5その他の診査項目

メジャーな検査項目は以上ですが、その他にも『レントゲン検査』『エコー検査』『MRI検査』などがあります。この辺りは、先程の検査では分からない細かな部分を見るものですので、獣医師と相談しながら決めましょう。

3ペットのワクチン接種の大切さ

犬を飼っている場合は狂犬病ワクチンの接種が義務付けられていますが、それ以外のペットにもワクチン接種が推奨されます。特に『コアワクチン』は、感染率やその後の死亡率の高い感染症を抑えるための物ですので、出来る限り接種を受けましょう。

また、『ノンコアワクチン』は生活環境や個体によっては感染リスクが高くなる感染症を抑える物です。獣医師とよく相談して決めましょう。

4ペットの健康診断は必要なものです

最初にお伝えした通り、ペットは自らの意思で動物病院に行く事はできません。飼い主に申告する事もないため、飼い主が気付かなければアウトです。健康診断は一緒に暮らす飼い主ですら分からない病気の早期発見、早期治療をするためのものであり、そういう意味では充実したペットライフには必要不可欠と言ってもいいでしょう。

また、健康診断だけでなく、普段の生活も大切です。食事、運動、睡眠はどんな生物であっても欠かせません。しっかりと健康に気を配り、ペットに豊かな生活を送ってもらいましょう。

天国への扉コラム