【毎日の健康のために】犬のストレス解消法とは?

人間は日々のストレスとうまく付き合いながら生きています。人間関係や運動不足、栄養バランスなど日々のちょっとしたストレスを解消しなければ体調を崩してしまいますよね。それは犬も同じです。同じ生き物ですから、ストレスを溜め込んでしまいますし、解消しなければいずれ爆発してしまいます。私達と違う点があるとすれば、溜め込むのも解消するのも飼い主様の努力次第なところが大きいことでしょう。

犬にとって飼い主様は群れのリーダー。飼い主様の意向は基本的に忠実ですし、たとえそれが自分の意に反していても無理に反抗しません。しかし、それでもストレスは溜まっていきますし、犬にも我慢の限界があります。なにか起きる前に、日々のストレス解消法を実践しましょう。

今回は犬のストレスによって起こり得ることと、ストレス解消法について解説していきます。

目次

見逃せない犬のストレスサイン

犬がどれだけストレスを溜め込んでいるのか分かりますか?実は犬はストレスの度合いに応じて、飼い主様に不満を訴えるためにサインを出しているのです。ストレス(中)辺りからは問題行動も起こしますので、もしなにか変だと思ったら動向をよく観察しましょう。

ここでは、犬のストレスサインを【小】【中】【大】の3段階に分けて解説します。

ストレスサイン(小)

ストレスサイン(小)は日常的に見せる可能性があります。というのも、私達もなにか不満があったら、あくびをしたり軽く要求したりしますよね?この段階でのサインはそれと同じで、軽くなにか悩みや不満がある状態です。

【知らない人や犬が接近した際に身体を震わせる】

相手を拒否したい時や緊張した時に見せるサインです。

【地面の匂いをかぐ】

相手や自分を落ち着かせたい時に見せるサインです。

【頭を振る】

不快感や不満を感じた際に見せるサインです。

このように、日々のちょっとした出来事に対して見せるサインが多いです。犬を飼っている飼い主様であれば一度は見たことがあるでしょう。この段階であれば体調を崩す心配もありませんし、スキンシップさえ怠っていなければ問題もないです。

ストレスサイン(中)

上記のストレスサインを無視、あるいは日常的にストレスをためているとストレスサイン(中)に移行します。飼い主様が要求に応えてくれてないと判断し、ここから問題行動を起こすようになってきます。

【うなる、吠えるなどの声での反抗】

【噛み付くなどの直接的な反抗】

【逃げる、飼い主を避けるなどの行動】

明らかに反抗意識が出始めていますね。また、ストレスサイン(小)で紹介したサインも引き続き見せます。これを「しつけがなっていない」と判断して無理に抑制させようとするのは、更なるストレスと問題行動の過激化を招いてしまい却って逆効果です。後述するようなストレス解消法を忘れず、それでも駄目なようなら動物病院に連れていきましょう。

ストレスサイン(大)

ストレスサイン(中)でも更に飼い主様からの反応がない、もしくは無理に怒ったり抑制したりしようとするといよいよ犬も我慢の限界が近いです。ここまでになると慢性的な体調不良に陥ったり、病気になる可能性があります。

【倦怠感を感じたり物事に無関心になる】

普段は大好きな散歩やおやつにも反応しなくなります。

【自分の皮膚を過剰になめる】

大きなストレスを感じているときによく起こす行動で、炎症を起こすほど舐めます。

【自分の足を噛むなどの自傷行動】

他にも自分の尻尾を追いかけたりすることも…。

【粗相を何度もする】

自分のトイレまで行かなかったり、わざと飼い主様にかけたりすることもあります。

ここまで来ると明らかに異常なことが分かります。もちろん、(小)(中)のサインもあります。自力での解決が難しい場合は飼い主様のためにも犬のためにも、無理をせずに動物病院で診察してください。

犬のストレスが原因で発症する症状

人間もストレスで体調を崩すことがありますが、犬はもっと繊細です。過去にはストレスのため過ぎが原因で亡くなった事例もあるほど、犬にとってストレスとは危険なもの。流石に亡くなるほどの事例は極わずかですが、それでも病気や様々な症状が出てくることは間違いありません。

ここではストレスが原因で発症すると言われている症状について解説します。

下痢や嘔吐

もともと犬は人間よりも下痢や嘔吐の可能性が高く、病気というよりは生理現象のようなものだと言われています。異物を食べたときやご飯をたくさん食べた時なんかも嘔吐しますよね。他には空腹の時に黄色の嘔吐をする事もあるなど、かなりの場面で引き起こされる可能性があるのが伺えます。ただし、ストレスによっても下痢や嘔吐を引き起こす事があることは忘れてはいけません。

この場合は人間でもそうであるように、ストレスによって自律神経に乱れが生じることで起こります。また、体調不良や胃腸関係の病気でも発症することがありますので、もし原因に覚えがない場合は動物病院で診察する必要があります。

うつ病などの精神的な病気

ストレスの原因が飼い主様が長期間不在、あまり構ってあげられないなど、飼い主様側に原因がある場合は心の病気を患ってしまう事があります。群れのリーダーである飼い主が自分の事を大切にしてくれていないのではないか?と思ってしまうのです。初めは要求行動や多少の問題行動から始まりますが、あまりに飼い主様からの愛情を感じられない時は徐々に心の病気による影響が表面化してきます。

精神的な病気としてはうつ病や分離不安が有名です。飼い主様が外にいる間に家具を破壊してしまったり、自傷行為や意味のない行動をずっと続けている場合はこれらの病気を疑いましょう。心の病気は簡単には治らず、時間と飼い主様の努力が必要です。なるべく愛犬のために時間を割いてスキンシップを忘れないようにしましょう。

肥満症などの生活習慣病

私達人間の中でも長年問題になっている生活習慣病ですが、実は犬も生活習慣病になります。犬の場合は特に肥満症が顕著ですね。ストレスが原因で起こる、いわゆるストレス太りが問題となっているほか、おやつの与え過ぎによるカロリー過多、運動不足による肥満もよく報告されるものです。愛犬を可愛すぎても肥満になるのが危ないところとも言えますね。

肥満症は高血圧や糖尿病、高脂血症などの様々な病気や症状を誘発してしまうほか、慢性的なストレスの原因にもなります。関節や内臓に負担がかかるのも無視できない問題ですね。さらに、ストレスは過食の原因にも…というように悪循環になりがち。健康的な毎日を意識するだけでも生活習慣病を予防できますので、日々の生活にもちゃんと意識を向けましょう。

毎日できる犬のストレス解消法!

世の中は娯楽に溢れており、私達人間は昔よりもストレスを解消する手段が豊富です。しかし、映画やゲームなど個人の趣味によって細かく用意されているのは人間だけであり、犬のストレス解消法はいつだって身体を動かすことです。

ここでは毎日行いたい犬のストレス解消法について解説します。

毎日の運動

人間界の娯楽はともかく、犬にとっての楽しみは日々の散歩やドッグランで思いっきり走ること…すなわち運動です。運動は肥満対策にもなりますし、飼い主様も一緒に運動したらもっと犬も楽しくなります。こと運動だけに絞ればドッグランやアジリティなどバリエーションもありますので退屈すること無く遊べると思います。

ただし、いくら運動すべきといっても身体を動かし過ぎるのは危険です。足や関節に負担がかかってしまいますし、最悪の場合脱臼など怪我をしてしまうかもしれません。脱臼はくせになりやすいので、なるべく足には気をつけながら運動させてください。また年齢やペットのサイズ、健康状態でも適切な運動量は変わってきます。初めは軽い運動をして、大丈夫そうなら徐々にレベルを上げていくようにしましょう。

飼い主とのスキンシップ

犬にとって飼い主様とのスキンシップは、自分と主人の絆を確かめることができる唯一の方法です。先述したように、スキンシップをしない、構ってあげる時間が極端に少ないとうつ病や分離不安を発症してしまう可能性があります。なによりペットを飼っている以上、愛情を注ぐのは飼い主様の役目でしょう。あまり甘やかしすぎてもいけませんが、甘やかさないようにするのと冷たくするのは違います。

犬は人間の言葉を話せず、人間も犬の言葉を100%理解できるわけではありません。そんな両者にとって一番わかりやすい愛情表現こそが触れ合ってスキンシップをとることです。一人の時間もたまには必要でしょうが、もし愛犬の方からすり寄ってきたらたっぷりと可愛がってあげてください。

おもちゃで遊ぶ(遊ばせる)

犬にとって【噛む】という動作は自分の怒りや不満を落ち着かせるために起こすものであり、彼らなりのストレス解消法です。噛みたい欲求をこちら側から解消させてあげましょう。ハードタイプのおやつでも問題ありませんが、あまり与えすぎるとカロリー過多の原因になってしまいますので、ここはロープなどのおもちゃで遊ばせましょう。

可能であれば飼い主様も一緒に遊んであげてください。スキンシップにもなりますし、犬も一匹で遊ぶよりも飼い主様と遊んだほうが楽しいでしょう。おやつも前述したように過度に与えてはいけませんが、適切な量であれば遊んだ後に与えるのであれば問題ありません。

犬のストレスと上手く付き合っていこう

ストレスというのは溜めずに生きていくことはできません。少なからずみんなストレスを溜め込んでいくもので、あくまで溜め込みすぎないように解消していくことしかできないのです。もっとも、私達は自分の意思だけで遊んだり趣味に時間を割くことでうまくストレスと向き合うことができますが、愛犬はそうではありません。

犬のストレスはその原因も解消方法もすべて飼い主様が中心となります。日々のストレスサインを見逃さず、なにか問題があればすぐに動物病院に行くことを忘れずに。その上で毎日のスキンシップや運動で犬も飼い主様も健康に生きていきましょう。

天国への扉コラム