ペットの健康管理の方法について

大切なペットにはいつまでも元気でいてほしいですよね。しかしペットだって私達と同じ生物ですし、ちゃんとした生活を送らなければ不健康になってしまいます。近年は様々な事情もあって、肥満症を始めとした生活習慣病がペットにまで発症している事例が多いです。その中にはおやつの与えすぎや運動不足など、少なからず飼い主様側に責任がある場合も……。

ペットが可愛くてついつい甘えた生活を送ってしまいそうになりますが、健康的な体を維持するためにもきちんとした健康管理をしていきましょう。今回はペットの健康管理の方法と飼い主様に意識してほしいことについて解説していきます。

目次

ペットの健康の前に知っておいてほしいこと

ペットの健康管理を知る前に、今現在ペット関係で起きている課題点や事情について軽く触れておきましょう。様々な背景を知ることで、ペットの未来のためにできることがわかってくるはずです。

ここではペットの健康の前に事前知識を解説します。

ペットは年々長生きに?

今のご年配の方々の中には「昔よりも随分とペットが長生きするようになった」と感じる人も多いことでしょう。実際、ペットの平均寿命は近年になって徐々に伸びてきています。理由はいくつかありますが、やはり【食事】【医療】【飼い方】の3点が主な理由でしょう。

医療に関しては後項にてまとめるため、ここでは食事と飼い方に焦点を当てて見ていきましょう。

まずは食事ですが、これはいわずもがな専用フードの発達です。一昔前でも犬や猫といったメジャーなものは専用フードが販売されていましたが、マイナーなペットに関してはそこまで種類がなかったり、そもそも売っていないこともザラでした。今では犬猫はもちろん、爬虫類やうさぎなどにも豊富で栄養価の高い専用フードが売られています。

次に飼い方ですが、これは家の中で安全に飼う【室内飼い】が主流になったことが影響しています。外ではやはり車による事故や脱走の危険が伴いますし、些細な違和感や怪我に気づきにくいです。そういった危険を根本的に排除できる室内飼いが結果的に寿命を伸ばしているのですね。

ペット医療関係も良い方向へ

これは私達人間にも影響があることですが、生活と医療というのは密接に関わっています。これまで毎日を健康的に生きられているのは医療のおかげといっても過言ではないほどです。そして医療技術の発達は人間のみならず、ペットにも良い影響を与えています。

ペットの診察一つとっても、レントゲンや超音波などの最新設備が導入され、さらに動物病院そのものの数も年々増えています。今では病気を予防するワクチンも色々と開発されており、かつて日本中を恐怖に陥れた狂犬病もワクチンのおかげで日本で生まれた事例は報告されていません。これも皆様がちゃんと定期的に狂犬病用のワクチンを愛犬に摂取させているおかげです。

このように医療技術と皆様の行いで寿命のみならず、長く健康でいられるような社会になっているわけですね。また今後も平均寿命が伸びていくだろうと言われており、その未来のためにもより一層私達もペットの健康のために頑張らなければいけません。

寿命が長いことで起こる課題点

ペットが長生きしてくれることは喜ばしいことですが、同時に【医療費の高騰】【介護】という無視できない課題点も生じています。高齢化による病気や怪我のリスクは間違いなく上がりますし、それによって手術や入院の回数も自然と増えてきます。また、病気や怪我も程度にはよりますが、ペット保険に加入していないペットはその医療費もかなりの額になるかと思います。

次に介護ですが、これも高齢期特有のものですね。ペットのためならばと意気込んだとしても、やはり元気な頃とは何もかも違ってくるもの。ご飯の種類や与え方、運動のやり方、お世話の仕方だって今までのようにはいかないでしょう。

もし辛くなってきたら介護型のペットホテルやデイケアサービスなども視野に入れてくださいね。

ペットの健康管理の方法

ペットの健康管理は飼い主の義務、生命を育む以上はその責任があります。とはいえ、なにも難しいことはありません。食事と健康チェックを万全にすること、それを徹底すればいいだけです。

ここではペットの健康管理の方法について解説します。

ご飯は専用フードが望ましい

皆様はペットにご飯をあげる時、なにを与えているでしょうか?もし犬や猫を飼っていると仮定したとき、生物を与えているのであれば少し危険です。寄生虫や時期によっては少し傷んでいるかもしれません。それ以外のペットであっても、基本的には専用フードだけで十分な栄養を確保できます。

もしどうしても手作りご飯をあげたい場合は、なるべく作ったその時にそのまま食べさせてください。また、手作りご飯を作る上ではカロリーや各種栄養価の量は予め学んでおきましょう。専用フードは栄養価も適切になるように作られていますが、手作りとなるとそうはいきません。

ペットに必要な栄養はペットのサイズや去勢の有無、病気などでも変わってきます。もしそういった計算が難しい、自信がないというのであれば専用フードを購入しましょう。専用フードならばカロリーや栄養価は記載されていますし、種類も豊富なのでそれぞれのペットにあったご飯も用意できます。

小さな違和感を見逃さずに

動物は自分の不調をむやみに露呈したりはしません。自然界で弱みを見せることはそのまま死を意味するものですし、その習慣はペットにも残っています。とはいえ、我慢強い彼らであってもよくよく観察すれば小さな違和感を残しています。

歩き方が少しおかしい、段差を昇り降りすることを躊躇っている、ご飯の食べ方がおかしいなど、サインを見逃さないように。そういった違和感はずっと一緒に暮らしてきた飼い主様にしか見つけられません。

室内飼いが主流になったことで、サインを見つけられる機会が増えたことも追い風です。普段から健康チェックを欠かさず、もし何かおかしいなと感じることがあったら、気のせいと思わずに一度診察してもらってください。

病気の予防は万全に!

病気はなってから治療することもできますが、予防することにこしたことはありません。治療したらお金もかかりますし、ペットにも負担がかかります。ワクチンであればものの数分で摂取できますし、費用もそこまでかかりません。

ワクチンと言えば狂犬病用のワクチンが真っ先に思い浮かびます。あれは犬を飼っている飼い主様の義務であり、ワクチンを摂取しなければ罰則も設けられています。一方でそれ以外のワクチンに関してはなにも強制というわけでもなく、たとえ打たなくても何か問題があるという事でもありません。

にもかかわらず、やはり色々な所でワクチンを打ったほうが良いとされています。それだけ病気というのは恐ろしく、予防できるのであればした方が良いということでもあります。病気を治す方法も重要ですが、そもそもかからない事が肝要なのです。

ペットの健康のためにできること

ペットの健康のためには飼い主様が積極的に愛犬と関わることが必要です。体調チェックや散歩、スマホを使った記録など、日々の愛犬の具合を確認してください。

ここではペットの健康のために飼い主様ができることについて解説します。

体を触って異常がないか確認する

ペットの病気や怪我などは多くの場合、その身体に何らかのサインを出します。普段から体調チェックを怠らず、何か異常があればすぐに分かるようにしておきましょう。下記によく異常が発見される箇所をまとめておきます。

・身体全体

主にお腹や背中、足などを触り、妙な膨らみがないかを調べます。また、肌の腫れや触られているという反応があるかどうかも確かめてください。特にお腹などは胃に不調があると張っているような感触があります。

・目や耳、口の中

充血や異臭、出血の有無を確認します。感染症や白内障、膿などはこのあたりからサインを出します。その他、転んだ時や何かに当たったような形跡がないかも確認しましょう。

・体毛や皮膚

体毛を有しているペットの場合は毛並みや質感を確認します。普段と比べてザワザワしていないか、脱毛症になっていないかなどです。また皮膚も赤くなっていないか、斑点がないかを確認してください。

散歩の重要性

犬を飼っている飼い主様は愛犬の散歩を欠かさず行っているでしょうか?特に室内飼いが主流になった今、散歩の重要性は増してきています。超小型犬であれば室内の運動だけでも十分な運動量を確保できますが、それよりも大型の犬であれば外での運動がほぼ必須になってきます。

運動不足による肥満等の生活習慣病は人間でも問題になっていますが、ペットでも徐々に課題となってきています。ペットが可愛くてついついおやつを与え過ぎてしまったり、思い当たる節もあるのではないでしょうか?

運動量は年齢や病気の有無でも異なってきますが、いずれにせよ散歩はした方が良いことが多いです。後項で紹介するスマホアプリを活用すれば、日々の散歩量を記録することもできます。

スマホアプリを活用する

スマホアプリというのは便利なもので、なにも動画サイトやゲームを楽しむものばかりではありません。中には実用的な仕事アプリやメモアプリなども多数あります。ペット用のノートアプリも、その中の一つです。

ペット用のノートアプリには体重や体温の変化を記録できるほか、エサ代や病院代を記載できる家計簿機能など、日々のちょっとした管理が凄く楽になる機能が搭載されています。先述したように、特に高齢期に入ったペットや病気のペットはエサのやり方や散歩の時間など、慎重にならざるを得ない場面が多いです。

そんな中、スマホであれば行動の合間にさっと取り出してすぐにメモできます。時間に追われている方はもちろん、いちいちノートを用意するのが面倒という方にもおすすめです。また、こういったアプリのほとんどはシェア(共有)機能がついているので、家族と一緒に導入したらもっと効率的になりますよ。

日々を健康的に生きよう!

大好きなペットには健康でいて欲しいですが、そのためには飼い主様も正しく生活する必要があります。夜行性でもない限り、大抵は飼い主様と生活の時間は一緒だと思われますし、何よりペットだけに規則正しい生活を強いる訳にはいきません。ペットに健康でいて欲しいのであれば、飼い主様も健康的でなくてはならないのです。

今回ご紹介したスマホアプリの活用や体調チェックを忘れずに、いつまでも元気な姿を拝めるように頑張りましょう!

天国への扉コラム