ペット用の保険ってどんなの?メリットと注意点について解説

皆様はペット保険というものをご存じですか?ペットを飼っている人の中には、ペット保険を知らない人や知っていても具体的な内容がわからずに敬遠している人もいます。確かに、人間の保険と違って決してメジャーなものではないですし、何となく怪しいと思ってしまうのも無理はありません。

しかし、近年のペット事情を考慮すると、ペット保険は今よりももっと重要になってくる可能性があります。

そこでこの記事ではペット保険の重要性やメリット、加入する際の注意点についてまとめてみました。ペットの快適な老後生活のためにも、今一度ペット保険について一緒に考えてみましょう。

目次

ペット保険の重要性

冒頭でもお話ししたように、ペット保険に加入する意味や重要性…すなわち需要は年々増しています。これは単なる妄想や謳い文句ではなく、近年のペット事情や死亡理由から見ても確かなことです。この見出しではペット保険がなぜ必要なのかについて解説していきます。

ペットの平均寿命は年々伸びている

犬や猫の現在の平均寿命についてご存じですか?一般社団法人ペットフード協会が公開している2021年時点のデータでは、犬の全体平均寿命が14.65歳、猫の全体平均寿命が15.66歳だと記載されています。実はこの平均寿命は2010年から大幅に伸びているのです。

2010年時点でのデータでは犬の全体平均寿命は13.9歳、猫の全体平均寿命は14.4歳でした。なんと犬は0.78歳、猫に至っては1.30歳も伸びているのです。因みに傾向としては小型犬や家の外に出ない猫の方が平均寿命が伸びやすくなります。中には20歳を超える犬猫も少なくないですし、ギネス記録ではなんと29歳5か月もの間生きていたという犬もいます。

近年の医療技術の進化やペットフードなどの栄養管理、飼い主様による健康管理がしっかり整ってきたことが理由であるとされており、今後もこの調子で徐々に長寿化していくのではないかと予想されています。

ペットの医療費は年間数万円!?

ペットを飼っている方ならなんとなく分かると思いますが、実はペットの1年でかかる医療費は結構高いんです。ご家庭にもよりますが、一般的には犬は年間4〜5万円、猫は2〜3万円かかると言われています。もちろんこれは健康的なペットの場合ですので、持病やなんらかの病気にかかっているなら更に高額になるでしょう。

近年は犬猫問わず室内飼いが基本となった影響で、ペットの些細な変化に飼い主様が気づきやすいことから全体の平均医療費が高くなっているそうです。それ自体は喜ばしいことですが、日々の細かな出費として医療費がかかるわけですから、気が付かないうちに高額になっているケースも多くなっています。

それに加えて、もしガンなどの病気にかかった時に保険が効かない場合の医療費は1回で数万〜数十万円かかるということも視野に入れなくてはいけません。長寿化にはこんな側面もあるのです。

ペット保険は今後さらに重要になるかも

ペットの長寿化やそれに伴う高齢期での病気や怪我は、ある意味では繋がっているもの。末永く暮らしていくことは確かに嬉しいものですが、一方で当のペット自身の健康や飼い主様の医療費の負担を考えると現状では喜び半分焦り半分といった感じになってしまいますね。医療が発展するにつれて、良いものこそ高額になっていくものそれに拍車をかけています。

人間もペットもどんどん長寿化していく現代。今や保険は人間だけのものではなくペットにとっても重要なファクターになりつつあるのです。今後のことは考えるだけキリがありませんが、少しでもその負担を減らせるのであればペット保険に加入するという選択肢も現実味を帯びてきます。そもそも保険に入る理由は【転ばぬ先の杖】に他ならないのですから。

ペット保険のメリット

前項でもお話したように、ペット保険は今後さらに需要が高まると予想されています。しかし、具体的なメリットを提示されないとやはりイメージは沸かないもの。

ここではペット保険に入る明確なメリットについて解説していきます。

高額な医療費の負担額を減らせる

そもそも保険に入る目的は高額な医療費の負担額を少しでも軽くすることです。ペット保険の場合は医療費の50%又は70%負担してくれる割合負担、入院や通院ごとに定額で補償する定額保障の2パターンが主流です。

具体例を挙げて考えてみましょう。高齢期に入った猫が最もかかりやすい重い病気は腎不全と呼ばれています。食欲低下や多飲多尿から始まり、様々な悪影響を及ぼす危険な病気です。症状の進行度や病院によっても異なりますが、一般的には腎不全の入院及び手術でおよそ10万円、その後20日程度の通院で9万円ほどの費用を必要とします。さらに腎不全は完治しないため、その後も定期的な通院とお薬も必須です。

ここで、70%の割合負担に加入しているケースを考えてみましょう。限度額も決められているため一概には言えませんが、合計で20万円ならばおそらく限度額に到達しないため、飼い主様が負担する額はおよそ6万円程度で済みます。50%であっても10万円だと考えると、どれだけ負担額を減らせるかが分かりますね。

ペット関係の損害賠償金を補償してくれる

保険内容は何も病気や怪我を補償してくれるだけではありません。コースの内容によっては損害賠償金などを補償してくれる特約を付けることができます。要はオプションですね。

もしペットが他人の車や物を傷付けてしまったり、他の子とケンカして怪我を負わせてしまった場合、飼い主様に損害賠償を請求されることがあります。その場合に、限度額以内であれば保険金が降りる仕組みとなっています。

ただし、この類の特約は多くの場合、自動車保険や火災保険にも付いています。仮に重複してしまっても、二重にお金が降りるわけではありませんので、もし特約を付けるのであれば別の保険で補償されていないかよく確認しておきましょう。

より質の高い医療にも目を向けられる

医療費の高さ=質の良い医療とは言えませんが、それでもやはり最新の技術による治療にはお金がかかります。そういった時、保険が効かないペットでは手が出せないほど高額でも、ペット保険に加入しているなら視野に入れて考えることもできるでしょう。

こういった安心感はそのままペットをよく観察するだけの余裕に繋がることもありますし、いざ大変なことになった時により良い医療を受けさせてあげられます。保険金があるからといってたかをくくるのはよくありませんが、それでも保険に入っておいて良かったと思えるケースは多いです。

ペット保険に入る際の注意点

ペット保険はいざという時に大変便利なものですが、一方で注意点もいくつかあります。これを理解しないまま保険に加入してしまうと、「ただ無駄になっただけ…」と落胆してしまうかもしれません。

ここからはペット保険に加入する時に留意しなくてはならない点について解説していきます。

ペット保険にかけたお金は返還されないことが多い

まず理解しておかなければいけないことが1つだけあります。基本的に保険には【掛け捨てタイプ】と【貯蓄タイプ】の2種類があり、ペット保険はほとんどの場合掛け捨てタイプが適応されています。実はこれを理解しておかないと気持ち的に損しているような感覚になってしまうのです。

掛け捨てタイプは定期保険などにもよく適応されているタイプで、月額料金が安いかわりに保険にかけたお金は戻ってきません。反対に貯蓄タイプは月額料金が高い傾向にあり、その代わり使わなかった保険料の一部が返還されます。気持ち的には、掛け捨てタイプは安全を買い、貯蓄タイプは将来への安全に対する貯金と考えて良いでしょう。

この掛け捨てタイプに対するメリットやデメリットを含めた事前知識が無いと、「お金が返金されない!」と損した気分になってしまうわけですね。掛け捨てタイプは料金が安いということもあり、料金だけを見て判断されがちです。【料金は安くすむ】【かけたお金は戻ってこない】この2点は絶対に覚えておきましょう。

ペット保険に加入する時に条件がある

ペット保険はいつでも入れるわけではありません。極端な話、既に病気になっているペットを保険に入れて、保険金を補償してもらうわけにはいきませんからね。ペット保険は基本的に【若いうちから不意の怪我や病気に備える】が第一です。そのため、生後数日で保険に入れるほど下には広いですが、7歳前後未満であることが条件になるなど上には狭い傾向があります。

また、保険に加入する際は【過去にかかった病気や怪我】【持病の有無】【過去数ヶ月以内の予防以外での通院の有無】などを聞かれる事が多いです。その後、告知内容をもとに無条件で加入、条件付きで加入、加入拒否のいずれかに分類されます。

加入したいからって嘘の報告をしてしまうと、告知義務違反で契約解除になったり保険金を受給できないなど、不利になる事しかありませんので、質問には正直に答えましょう。

悪質な保険に加入しないように気を付けるべき項目

悲しい話ではありますが、ペット保険の中には悪質とも取れるような保険に加入させてくる業者も存在します。また、たとえ悪質でなくとも契約内容を見ていないがためにトラブルを起こしてしまう可能性も否定できません。

このような無用なトラブルを回避するためにも、下記の点にはくれぐれもご注意ください。

・【免責事項をしっかり読む】

免責事項とは、項目に当てはまったら保険金が支払われないというもの。特定の病気や怪我、免責金額の範囲内などで免責される事が多いです。

・【更新手続きに関する項目は特に注意!】

ペット保険の場合、終身タイプであっても年ごとに更新手続きが必要なパターンが多いです。

・【ペットショップでペットを購入する際に特定の保険に加入することもあります】

ペットショップでペットを購入する時は、保険やその他加入しなければいけないものについてちゃんと質問しておきましょう。

保険はペットの今後を支えてくれる大切な要素になる!

近年はお金の事情も相まって、以前ほど保険に関してありがたみを感じない方も多くいらっしゃいます。ペット保険に関しては掛け捨てタイプが多いこともあって、気をつけておけば問題ないという考えの人も少なくないでしょう。

しかし、不意の怪我や病気はそういった油断から襲ってきます。急な医療費の支払いを迫られても対応できるように、ペット保険は加入しておきましょう。

天国への扉コラム