猫がストレスを溜める要因と効果的なストレス解消法について

猫はなんとなく自由でストレスなんて無いなんてイメージが付きまといがちですが、実はかなり繊細な動物。些細な環境の変化すらも嫌い、生活のほとんどを1匹で過ごします。飼い猫となった今でもそれは変わっておらず、飼い主の何気ない行動やスキンシップが逆にストレスになってるかもしれません。

今回は猫がストレスを感じる要因やストレスサイン、効果的なストレス解消法について解説していきます。

目次

1猫がストレスを感じる原因とサイン

猫は犬などと違い、基本的に1匹で過ごす動物。何かあっても集団で対処する事ができない分、あらゆる音や匂い、環境の変化に敏感に反応します。

ここでは猫がストレスを感じるポイントやストレスサインについて解説します。

1.1猫がストレスを感じる原因〜環境〜

猫は古くより人間の近くで暮らしており、飼い猫にとって家は唯一無二のテリトリーです。そんなテリトリーに知らない人が侵入してきたり、急な引っ越しをするなどして環境が変化すると多大なストレスを抱えてしまいます。繊細な猫は些細な変化も嫌うという子が多く、普段遣いしているお皿がなかったり、食事の時間が遅くなるのも嫌という猫もいるほどです。

排泄物を砂などに隠せない、上下運動できるスペースや道具が無い、爪とぎができないなど本能に基づく行動ができない環境が原因であることもあります。また、耳が敏感な猫は人の大声や車の音でもストレスになってしまうため、家の外の環境に合わせた部屋づくりも必須と言えるでしょう。

他にも、去勢・避妊手術をしていない場合は発情行動にも要注意。匂いの強い尿を少量だけ出したり、普段聞いたことのない声で鳴いている場合は発情している可能性が高いです。この間は猫も敏感になっているため、環境を変えることは控えましょう。

1.2猫がストレスを感じる原因〜飼い主〜

愛猫家や猫を飼い始めた初期の飼い主様がやってしまいがちなのが、猫に過度なスキンシップをしてしまうこと。猫は犬などのスキンシップが大好きな動物と違い、非常に気まぐれ。猫にも撫でてほしい時や構ってほしい時、1匹で何かをしたい時や落ち着きたい時があります。

執拗なスキンシップはかえって逆効果ですし、お腹や手足など触ってほしくない所を触りすぎると嫌われてしまいます。構ってほしい時は猫自らが飼い主の近くへ寄ってきますし、静かに過ごしたい時は離れたりお気に入りの場所まで移動します。その時々の猫の気持ちを汲み取って、適切な距離感を掴んでいきましょう。

また、猫は飼い主の些細な行動でも敏感に反応します。大きな音を出したり、不意に声を出すなど猫がびっくりするような行動は避けてください。猫に用事がある際は死角にならない位置から優しく呼びかけるようにすると、猫も警戒せずに反応してくれます。

1.3見逃せない猫のストレスサイン

人間もそうですが、猫はストレスを抱えると体調や行動に変化が生じます。ここでは比較的よく見られるサインをいくつかご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

・食べすぎ(食べなさすぎ)

食事や水分補給など、普段よりも明らかに量が多い、又は少ない場合はストレスを抱えている可能性が高いです。そのまま放置してしまうと肥満や病気の元になります。

・身体を異常に舐める

猫はもともと綺麗好きなため、よく自分の身体を舐めて綺麗にしています。しかし、皮膚が赤らむほど異常に舐めている場合は要注意です。

・排泄行為の異常

特に排便行為に異常が出やすく、便秘や下痢をしがちになります。また、今まできちんとトイレが出来てきたのにも関わらず、粗相が増えた時もストレスサインかも。

・行動異常

夜鳴きや走り回るなど、普段は大人しいのに急に騒ぎ始めるのはストレスが原因の可能性が高いです。飼い主や周りの人にも影響が出やすいサインでもあり、早急に解決した方が良いでしょう。

2猫のストレス解消法

猫のためと思った行動が、逆に猫のストレスとなっている事も多いです。では逆に、どうやってストレスを解消させてあげればいいのでしょうか?

ここでは猫のストレス解消法や溜めないための過ごし方について解説します。

2.1留守番をさせる時はペットシッターを

先述したように、猫は些細な環境の変化も嫌います。そのため、特に長期間の留守番をさせる場合はペットホテルなどではなく、ペットシッターなどに頼んで家でお世話してもらいましょう。ただ、この場合でもペットシッターが知らない人だとストレスの原因にもなります。

一番良いのはそもそも長い時間猫を1匹にさせないこと。飼い主がいない環境は、どうやっても猫を不安にさせてしまいます。ペットシッターもペットホテルもあくまで最終手段にして、旅行に行く際はなるべくペット可の場所を選んで一緒に連れて行ってあげてください。

2.2コミュニケーションの方法を改める

猫が可愛いあまり過度にスキンシップをしてしまっている人は、猫の気分に合わせてコミュニケーションをはかるように意識しましょう。猫が飼い主と一緒に遊びたい場合は、擦り寄ってきたり、寂しそうに鳴くなどある程度分かりやすい行動をします。距離を測りかねている人は、こうした「何となく遊びたそうだな」という雰囲気を感じ取れるよう意識してください。

普段から狭く暗い場所や高いところなど人の目につきづらい場所を好んでいる場合は、そもそも人とのコミュニケーションがあまり好きではない猫かもしれません。その場合は気軽に触ろうとせずに、そっと一緒に居てあげるなどに留めておきましょう。間違っても猫が過敏に反応するような行動(急に動く、大声を出すなど)はしないように!

2.3ストレス解消になるグッズ

人間がテレビやゲーム、漫画で楽しむように、猫も暇な時に楽しめる手段が必要。爪とぎグッズやキャットタワーなど、猫がストレスを解消できる物はなるべく早めに揃えましょう。散歩やドッグランなど外に楽しみがある犬とは違い、猫は室内で生活が完結するのが普通です。

特に爪とぎは猫にとって本能からくる大切な行動であり、グッズを揃えておかないと壁や家具を使ってバリバリと研ぎ始めます。猫にとっても、そして飼い主にとっても最優先で用意する事をおすすめします。

2.4多頭飼いをするなら意識したいこと

猫が1匹だけならともかく、他の犬や猫と一緒に暮らす場合はお互いの距離感にも気を使う必要があります。仲が良い関係であっても、自分だけの空間でくつろげる場所と時間を確保した方が良いでしょう。

特にベットの位置や食器の種類、トイレの場所など生活に直結する物は分けた方が無難です。ケンカするようなら、別々のお部屋を用意する事も視野に入れてください。

3猫と良好な関係を築くには

猫はもともと繊細かつ警戒心の強い動物です。また、リーダーを決めて集団で暮らす犬と違い、猫は単独でいる事を好みます。よく「ウチの猫は中々甘えて来ない」といった悩みを聞きますが、それは飼い主が嫌いだからではなく1匹で過ごす方が好きというだけ。本当に嫌いなら同じ空間にいようとすら思いません。

そんな猫と仲良くなるには、とにかく猫の気持ちを汲み取って行動すること。甘えて来ないならこっちから……と無理に撫でたりせず、まずは同じ空間で共に過ごすことから始めてみましょう。猫にだって1匹になりたい時があるように、誰かと一緒にいたい時もあります。愛猫が何を考えてるのか、どうして欲しいのかをよく考え、焦らずゆっくりと猫と仲良しになっていきましょう。

天国への扉コラム