猫が粗相をするよくある原因とその対策について

家具や床におしっこの痕跡が……!猫を飼っている人なら、一度は目にするであろう猫の粗相。しかし、もしそれが続くようであれば危険な状態かもしれません。そうでなくとも、猫のためにも飼い主のためにも、早急に対策した方が良いでしょう。

今回は猫が粗相をする原因と、対策方法について解説していきます。

目次

1猫が粗相するのには原因がある

今までトイレでちゃんとおしっこしていたのなら、粗相をするのには必ず原因があるはず。泌尿器系の病気の可能性も考えられるため、なるべく早く原因を特定した方がいいでしょう。

ここでは猫が粗相をするよくある原因について見ていきます。

1.1トイレの状態が悪くておしっこしたくない

猫は気分屋ではありますが、それ以上に綺麗好きで神経質な面を持っています。多頭飼いで別の猫が使ったトイレはもちろん、自分が使用していたトイレであっても、汚れていれば使いません。また、今までトイレに使っていた猫砂に飽きてしまう事もあります。

トイレの設置箇所もよくある原因の一つ。猫は静かな場所や狭い場所など、周囲を警戒しなくても良い場所を好みます。大きな振動や音は問題外ですし、風通しの悪い場所も避けてしまいます。また、冬は猫も寒いため廊下など冷えている所にあるトイレは使いたがりません。

1.2ストレスや病気など猫自身の状態が原因

もし特定できるような原因が見当たらない場合は、猫自身の問題かもしれません。腎臓病や膀胱炎、尿路結石など泌尿器系の病気には多飲多尿が多く見られ、トイレまで我慢できずに粗相してしまう事があります。いつもは水をあまり飲まないのに、粗相をする前にたくさん水を飲んでいるなら、病気を疑った方がいいでしょう。

また、それ以外でも年齢や怪我も考えられます。お年寄りや赤ちゃんの場合は【トイレの場所を覚えられない】という可能性がありますし、【足を怪我していつもの場所に行けない】という事もありえるでしょう。猫の体調に合わせてトイレの場所を変えたり、複数箇所にトイレを設置する事も意識しましょう。

1.3去勢・避妊手術をしていないなら発情期かも?

去勢・避妊手術をしていない場合、粗相の原因が発情期である可能性が考えられます。特にオス猫でスプレーと呼ばれる臭いの強い少量の尿を出すのなら、発情期特有のアピール行動である事が多いです。

これはいわゆるマーキングで、異性の猫には「自分はここにいる」と存在を知らせ、オス猫には「ここには来るな」と威嚇する役割を持ちます。また、特徴として柱の高い位置にスプレーします。この尿はかなりの臭いで、家の場所次第では時折悪臭問題でトラブルになる事も。他にも発情期に入った猫は独特の鳴き声を出したり、他のオス猫や人間に攻撃的になるなどの行動をします。

望まない妊娠は誰も幸せにしませんし、かと言って無理に抑えつければストレスになります。繁殖させる気がないなら、早めの手術を検討しましょう。

2猫が粗相しないためには?

猫が粗相をするのに原因があるのなら、逆を言えばその原因を取り除けばちゃんとトイレでおしっこしてくれるはず。

ここからは猫が粗相を繰り返さないようにするには何をしたらいいのかについて見ていきましょう。

2.1トイレは常に清潔にしておく

まず、トイレを常に綺麗にしておく事を心がけてください。排泄物を残さないのはもちろん、周囲の汚れや臭いにも気を配った方が猫も気持ちよくトイレできますね。他にも月に1回、重曹や無香料の洗剤で徹底的に掃除するのもおすすめです。

また、猫砂に飽きてしまっている場合は変える必要があります。お財布に余裕があるのなら、複数箇所にトレイを設置した上で別々の猫砂を用意してみましょう。砂の細かさや水分を含んだ時の固まり具合など、ある程度猫の好みを把握しておくと、同じような状況になった時に便利です。

トイレの設置箇所の目安は【風通しの良い】【音や振動がない】【食事場所から離れている】【寒くならない】【換気されている】この5つをクリアしている場所がベスト。

2.2粗相をしても怒らない

猫が粗相をした時、一番やってはいけないのが怒ったり過度に反応すること。猫が「怒られた」と思ったらストレスの原因になりますし、「反応してくれた」と思ったら、何かを要求したい時に同じ場所で粗相をする可能性が高いです。猫が粗相をしても、なるべく無反応を貫いてください。

また、粗相をしてしまった場所は臭いが残らないようにしっかりお掃除しましょう。尿の臭いが残っていると、猫がそこをトイレの場所だと勘違いしてしまいます。

2.3病気の可能性があるなら動物病院へ

普段はちゃんとトイレでおしっこをするのに、ある日を境に粗相を繰り返すようになった……。その場合、猫自身に何らかの異常がある可能性があります。特に猫は泌尿器系の病気になりやすく、そのほとんどに症状として多尿が見られます。

明らかに粗相が多い、尿の臭いや色がおかしい、猫の様子に違和感があるなど、いつもと違う様子を感じたら動物病院で診てもらう事をおすすめします。万が一病気だったら大変ですし、もし病気でなかったとしても獣医師なら何か有益なアドバイスを貰えるかもしれません。その時、可能であれば直近の尿を採取しておくと獣医師もより具体的に猫の状態を探れます。

3猫の粗相がストレスだった場合

もし猫が【飼い主に見せるように同じ場所で粗相をする】【少量のおしっこを何度も出す】場合、ストレスを溜めているのかもしれません。粗相が飼い主に対する一つの要求行動になってしまっているということですね。この場合、猫が何を求めているのかについて理解しなければ解決しません。

何度も言いますが、猫は繊細な生き物です。ご飯の時間が遅かったり、構ってもらえなくて寂しかったりするとストレスを抱えてしまいます。「最近はあまり猫とスキンシップできていないな」など、心当たりがある場合はちゃんと猫との時間を作ってあげましょう。

4猫も粗相をしたいわけではない

猫は綺麗好きですし、何も好き好んで床や家具に粗相をしたいわけではないでしょう。トイレでおしっこしたいのには、何か理由があるはずです。トイレが汚くて使う気になれないなどの気分の問題もあれば、泌尿器系の病気のせいで我慢できないなんて可能性もあります。

特に病気や要求行動として粗相をする場合、放置していても改善する事はありません。むしろ、早めに対処しなければ事態が悪化する事もありえるでしょう。自分だけでは分からない時は思い切って獣医師に相談するのも手です。大切な猫のためにも、きちんとトイレでおしっこできるような環境を作ってあげましょう。

天国への扉コラム