知り合いのペットが亡くなった!相手を思いやる言葉はなに?

大切なペットが亡くなる事は飼い主にとってこれ以上ないほど悲しい出来事です。しかし、それが知り合いのペットだったらどういう対応をすればいいのでしょうか?

下手に「可哀想」と同情するのも駄目ですし、かといって淡白な対応をしたら冷たい人と捉えられてしまうかもしれません。人が亡くなったのであればまだしも、ペットを飼ったことのない人だと、飼い主の知り合いと自分の温度差に戸惑ってしまいますよね。命は尊いモノだと分かっていても、どうしても掛けるべき言葉が見つからない事もあるでしょう。

今回は知り合いのペットが亡くなった時に意識したい事や、掛けてあげるべき言葉、掛けてはならない言葉について解説していきます。

目次

知り合いにとってペットがどれだけ大切なのか

ペットを失う悲しみは強く、ペットロス症候群という疾患があるほど。しかし、ペットを飼ったことのない人にとってはただの可愛い愛玩動物程度の認識しかないでしょう。

ここでは、ペットが飼い主にとってどれだけ大切なのかについて解説します。

飼い主にとってペットは大切な家族

近年はペットに対して、飼うというよりは一緒に生活するという認識を持つ人も多いです。連れ添いや仲間という意味で使われ、家族や友人のように接する飼い主とそのペットの関係を指す、伴侶動物(コンパニオンアニマル)という言葉が生まれるほど。もはやペットとはただの動物ではなく、一つの命であり家族の一員として扱われているのです。

その愛情深さはペットが亡くなった時にも現れます。ペットロス症候群と呼ばれる疾患で、その名の通りペットを失う事で生まれる喪失感から、うつ病や虚無感などの症状に見舞われます。生活に支障をきたすほど深刻な状態になる人も少なくなく、中には数カ月もの間症状に悩まされる人も……。

特に最近は一人暮らしや老夫婦だけで過ごす世帯も増えてきている影響か、ペットに対して無償の愛を注ぐ飼い主が当たり前に。その分、失った時の心身へのダメージも大きいのでしょうね。

ペットの喪失による悲しみは個人によって変わる

これもペットを飼わない人を困惑させる理由の一つで、全員が全員ペットロスになるほどのダメージが出る訳ではありません。家族の一員として愛している飼い主様もいれば、あくまでペットとして可愛がる飼い主様もいらっしゃいます。愛の深さが違う訳ですから、失った時の悲しみの深さも違います。

またペットの種類にもよるでしょう。犬や猫などのメジャーペットが亡くなった時のダメージはなんとなく想像ができます。しかし、これが例えば魚やカエル、虫などだったらどうでしょうか?「知り合いが飼っていた魚が死んだ」と聞いたとき、恐らくですが犬や猫ほどのダメージは無いのだろうと思ってしまいますよね?

しかし、これもあくまで飼い主様によります。犬だから悲しい、虫だから平気という区別ではなく、飼い主様にとっては等しくペットであり命なのです。こればかりは難しいですが、飼い主様の表情や言葉でその喪失感を察するのが一番でしょう。

共感ではなく理解する

【知り合いのペット】は【自分のペット】ではありません。ましてペットを飼わない人はどうやったってその悲しみを100%理解することはできないでしょう。家族のように接するというのは家族として接するという意味では無いのも難しいところ。ただ、どれだけ悲しいかを察するのは無理でも、悲しんでいるという事実を理解することはできます。

この理解するというのが一番大切で、なにも共感しなければいけないという訳ではありません。むしろ、共感しようとして言葉を投げかけても、同情として受け取られる場合があります。大げさに共感しても、飼い主様によって喪失感は違いますし、逆に引かれてしまう事もあるでしょう。

知り合いのペットが亡くなった、知り合いは悲しんでいる、この2点を理解する。その上で後述するように、掛けたい言葉を掛けてあげる事が大切です。

知り合いのペットが亡くなった時に掛けたい言葉

共感ではなく理解するという事の大切さは前項で解説したとおりです。実際に知り合いのペットが亡くなった際に、なにか言葉を掛けたい場合も【個の命を失った】という認識の元で発言しましょう。

ここでは知り合いのペットが亡くなった時に実際に掛けてあげたい言葉について解説します。

人間と同様の言葉でOK

「お悔やみ申し上げます」「ご冥福をお祈りします」などは人間に対してもよく使われますが、ペットに対しても使用できます。これらの言葉は何も人間専用ではなく、個の命に対して使用される言葉ですので、○○だから使ってはならないというようなルールはありません。

知り合いにとってペットは家族だから……というような認識ではなく、ペットも尊い命を持って生まれてきたものだという認識が大切。同じ命として考えれば、人間によく使われる言葉でも違和感なく使えますね。同様に、ペットのみに使用される言葉というものは存在しません。極論ではありますが、動物や人間という区別ではなく、命に対して敬意を払う言葉であれば問題ないでしょう。

まずペット、次に飼い主が基本

先述した「お悔やみ申し上げます」と「ご冥福をお祈りします」……実はこれ、どちらも失った命に対しての言葉なんです。「お悔やみ申し上げます」は【失った命を悲しむ】弔いの言葉、「ご冥福をお祈りします」は【冥土で迷子にならないように、転生できるように】という意味が込められています。このように、遺族に対して言葉を掛ける際、基本は【死者→遺族】という順番で掛けます。

ただしこれには例外があり、対面する場合は「御愁傷様です」が先に来る場合があります。これは相手の心の傷を心配するという意味があり、遺族に向けての言葉です。主にお葬式などで「この度は御愁傷様です。○○様のご冥福をお祈りします」という様に使用されますね。文面上ではあまり使用されないため、あくまで口頭でのみ使いましょう。

大げさでもなく淡白でもない対応がキモ

一番大切なのは過剰でもなく、淡白でもない丁度よい対応を心がけることです。先述した様に、ペットに対する愛の深さは人それぞれですし、誰もが【心配してほしい】訳ではありません。本当に愛している人だとしても、 あまりに過剰に接すると「しばらく放っておいてほしい」と思われることもあります。

これは何もペットに限った話ではありません。 例えば人が亡くなった時でも誰とも話したくないという人もいます。 心の傷の癒し方は人それぞれですし、中には時間をかけて直さなければならない傷もあります。 一個の命として見ているがゆえに、過剰にならず淡白にならず、あくまで飼い主に寄り添って何が一番いいのかを考えましょう。

知り合いのペットが亡くなった時に掛けてはならない言葉

ペットと人間の境目というのは、実際にペットを飼っている人ほど曖昧になります。逆に言えば、【飼い主かそうでないか】というだけで、意識の違いというのは如実に出てきます。その違いを理解しないままでいると、ついつい相手を傷付けてしまう言葉を投げ掛けてしまう事も……。

ここでは、知り合いのペットが亡くなった時、絶対に掛けてはならない言葉について解説します。

同情の言葉は絶対にNG

同情の言葉と聞くと「そんな事言わないよ」と答える方がほとんどですが、実は無意識的に言ってしまう事が多いです。そもそも同情というのは【相手の苦悩や悲しみを自分の事の様に感じる事】という意味。分かりやすく言えば【自分の物差しで相手を測る】ということです。

これの何が駄目なのかというところですが、答えは簡単。自分の事のように捉えるということは、相手に共感し配慮するという事から最も離れているからです。悲しみの度合いなんて人それぞれですし、当人しか分からない痛みもあります。そんな中、まるで知ったように「可哀想」「残念だね」と言われる事は決して良い気分ではないでしょう。

本当に心配していたとしても、相手の目線ではなく自分の考えだけで発言してはいけません。自己中心的にならないよう、あくまで1歩引いた目線からの発言を心がけてください。

意識の違いによる心無い言葉には気をつけて

先程からお話しているように、当人やペットを飼ったことのある人と、ペットを飼っていない人とでは意識の差がかなり生じます。そのため、傷付けるつもりがない言葉で相手の心を抉ってしまう事も少なからずあるでしょう。

特に代表されるのは「また飼えばいい」という言葉や、そもそもペットが亡くなった悲しみを考慮せずに日常会話をしようとすること。一つずつ見ていきましょう。

まず「また飼えばいい」という言葉。飼い主様にとって、ペットとは唯一の存在です。例えば父親が亡くなったとして、「また結婚すればいい」なんて言葉は絶対に口にしませんよね?ペットの重要度は人によって異なるのでここでは論議しませんが、いずれにせよ【飼い主にとってペットは換えの効かないパートナー】ということは確かです。

また、ペットが亡くなって悲しんでいるというのに「明日の予定とかある?」など、気にせず日常会話を始めようとする人も少なくありません。当人はともかく、自分にとってはただの【知り合いのペット】という認識だからでしょう。もちろん、それは間違いではありませんが、人に寄り添っているとは到底言えませんね。

心配する事は良い事です。しかし、唯一のペットを失って悲しんでいるという事は忘れないでください。

人間と同じく忌み言葉はダメ

ペットも人間も、失う命の尊さに違いはありません。だからこそ、人間に使用されるような言葉もOKと記述しました。言い換えれば、人間に使用してはならない【忌み言葉】は同じくペットに対してもNGです。

・不吉な言葉

【消える】【落ちる】【4や9等の忌み数】など、凶事を連想させる言葉

・重ね言葉

【度々】【重ね重ね】など、不幸が繰り返される事を連想させる言葉

・続くことを連想させる言葉

【再び】【また】など、不幸が繰り返される事を連想させる言葉

これらは典型的な忌み言葉ですので、特にペットが亡くなった直後は絶対に本人の前では口にしないようにしましょう。

ペットというより個の命として見る

ペットを飼っていない人にとって、ペットを失う喪失感はなんとなくしか分からないでしょう。同じくペットを飼っている人たちですら、その深さ、悲しみは皆違います。大切なのは同情ではなく、共感し理解すること。

自分が同じ目線だったら……は体験しない限り不確かなものです。相手の立場になって考え、【個の命が天国へ旅立った】という事を理解しましょう。その上で、今回解説したように、掛けてあげる言葉についても気をつけてあげてください。

天国への扉コラム