春は出会いと別れの季節、飼い主様の中にも新たな環境へと引越しを予定している方は多いかと思います。しかし、ペットを伴った引越しともなると、色々と手続きや引越し後のストレスケアなど考える事は山ほどありますよね。
今回はそんなペットと一緒に引越しをする時に必要になる事についてお話していきます。
目次
1ペットとの引越し~当日までに~
まずは引越しが決まった時から、引越し当日までにやっておきたい事について見ていきます。
1,1ペットOKの賃貸を選ぶ
賃貸に移り住むのなら、ペットと一緒に住める『ペット可』の賃貸を選ぶ必要があります。もしペットの飼育が認められていない場合、管理人から飼育を止めるよう通達され、それでも隠れて飼育した場合は強制退去させられる可能性があります。また、ペット禁止だからという理由で住んでいる住人ともトラブルになりかねません。
特にハムスターなどの小動物の場合、隠れて飼育したらバレないだろうと思ってしまう人も少なからずいます。もし、ルールやマナーを度外視して最後までバレないように飼育できたとしても、隠れて飼育する事はペットにとってストレスを溜める要因になったり、飼い主様としても落ち着いて生活する事なんて出来ないでしょう。
ペット可の賃貸は決して数が多いわけではありません。それでも、飼い主にとってもペットにとっても快適な生活を送るために、ペット可の賃貸を選ぶ事が大切です。
1,2引越し先の動植物を確認する
関東から関西、北海道から東北など、今まで暮らしていた場所から遠く離れた場所に引っ越すのなら、その地域ではどんな動植物がいるか確認しておきましょう。
自生している植物の中には毒性のある物も少なくありませんし、発生する花粉も以前住んでいた地域とは異なる事もあります。特に花粉は、ペットにとってアレルギーになる物とならない物があるため、『元いた場所では花粉症にならなかったのに、引越し先で花粉症になった』というケースが起こりえます。
また、クマや狸などの野生動物がどれくらい生息しているのかも確認しましょう。都会でも野生動物は出没します。もしもの時を考え、きちんと対策しておく方が無難です。
1,3ペットの移動手段を考える
自分だけが引っ越す場合、移動手段は大体自分で確保できますよね。しかし、ペットを連れていく場合は、自家用車で連れていく以外でも『引越し業者』や『ペット専門輸送業者』に依頼する事もできます。自家用車での移動も含め、これらにはそれぞれメリットとデメリットがあるため、目的地までの距離やペットの性格を考慮して選びましょう。
自家用車の場合は、依頼する分の手間や料金が要らず、見知った車内ならペットの負担も軽いです。ただし、長期間の移動は車酔いを招く恐れがあるため、短距離~中距離の引越しにおすすめです。
引越し業者の場合は、大型トラックのため揺れも少なく、体調不良を起こしにくい点がメリットです。ただし、ペットのサイズや種類を限定していたり、別途追加料金を支払う事になります。
ペット専門輸送業者の場合は、基本的に引越し業者と同じ感覚で依頼できる上に、ペットのサイズや種類を限定せずに幅広く取り扱っている事が多いです。ただし、料金が高かったり、引越し業者とは別に依頼する業者を選ぶ手間があります。
1,4病気や怪我をしている場合
ペットが今現在、何かしらの病気や怪我をしていて動物病院のお世話になっている場合は、引越しの期間中のお薬を処方してもらいましょう。引越しした直後に新しい動物病院が見つかるとは限りませんし、移動中の負担で症状が悪化する可能性もあります。
もちろん、薬の種類によっては処方できない事もあります。獣医師との相談の上でご判断ください。また、引越し先ですぐに動物病院に通えるように、今の病院で紹介状を作成してもらいましょう。
2ペットとの引越し~引越ししたらすぐに~
ここでは、無事に引越しが完了したらすぐにやっておきたい手続きなどについて見ていきます。
2,1犬の場合は登録住所を変更する
犬などの特定のペットとの引越しでは、『狂犬病予防法』等のために現在登録している住所から新しい住所への変更手続きをする必要があります。受付期間も、転入してから30日以内と短いですし、引越し直後はバタバタするかと思います。ちゃんとスケジュールに住所変更の時間を入れておきましょう。
登録住所の変更は『旧住所の役所又は保健所で届け出を行う』→『新住所の役所又は保健所で住所変更及び鑑札を受けとる』という流れで行います。この時、登録事項変更届と旧住所の鑑札、既に注射済の場合は注射済票が必要になるため、忘れずに持参しましょう。
この手続きは、同じ市町村区内での引越しでも行います。
2,2かかりつけの動物病院を見つける
飼い主様の中には、もしものためにかかりつけの獣医師を持っている方も多いのではないでしょうか。もし、かかりつけ医がいたり、現在お薬を処方してもらっている場合は、前項の通りに新住所からでも通える動物病院への紹介状を貰う事をおすすめします。
もし紹介状がない場合は、少し面倒ですがマップや口コミサイトの情報を参考に付近の動物病を調べてみましょう。動物病院によって力を入れている分野が異なる事がありますし、珍しい病気ならそもそも対応していない可能性も考えられます。
3ペットとの引越し~変わる環境~
環境を変えるという事は、ペットにとって多大なストレスを抱えることになるでしょう。ここでは、その事について具体的に見ていきます。
3,1ペットにとって引越しとは
引越しは新たな環境で暮らす一大イベントですが、ペットにとっては『気が付いたら慣れない環境にいる』という状況です。人間でイメージすると、その精神的負担がどれほど大きいか想像に難くないでしょう。住み慣れた家、いつも見ていた景色、落ち着きのある匂い……その全てが無くなっているわけですから。
引越しのストレスで留守番が出来なくなった、夜泣きを繰り返すようになったなどのサインを起こす子もいますし、下痢や嘔吐などのストレス性の症状が出てしまう事もあります。特に、下痢や嘔吐が一日以上続く場合は、速やかに動物病院で診察してもらいましょう。
3,2新しい環境に慣れるまでおよそ3ヵ月
ペットにもよりますが、新しい環境に慣れるまで大体3ヵ月程度必要だといわれています。その期間中は、可能な限りペットの傍にいてあげてください。また、仕事などで家を空ける場合は飼い主の匂いが付いている物を設置したり、資金と相談しながらになりますがペットシッターを依頼するのも手です。
夜は一緒に寝てあげる、もしくはペットから見える位置で寝る方が安心できます。この時も、飼い主様の匂いが付いている物をペットの傍に置いておくといいですね。夜はほとんどの動物にとって危険な時間帯であり、慣れない環境では緊張と恐怖から寝れない子が多いです。最悪の場合、夜泣きなどの問題行動を行う可能性があります。
4引越し先でペットを飼えない時
どうしてもペットを飼えない場合、捨てる以外の方法を取らなくてはいけません。メジャーな方法としては『家族に預ける』『里親を見つける』というのがあります。ただし、里親を探す場合は、二度とペットに会えない覚悟をしておいた方がいいでしょう。都合の良い時に時間を取ってもらえるとは限りませんし、相手側の負担になります。
また、大前提として『ペットを手放すことそのものが好ましくない』というのがあります。仕事先から遠くてもペット可の賃貸を探す、費用は飼い主様持ちにしてでも家族に頼むなど、あらゆる手を尽くして、それでもダメだった場合のみ里親を探すようにしましょう。
5引越しの際はペットの動向に注目
やむを得ない引越しであっても、ペットがストレスを抱えてしまうのは不本意ですよね。ペットの負担を考慮した引越し方法であっても、やはり多少のストレスは抱えてしまいます。引越しはしばらくの間、ペットと一緒にいられる時間を増やしたり、スキンシップを多めに取るなどのストレスケアに務めてあげましょう。
また、もし引越し後に体調がすぐれないように感じたら、すぐに動物病院に連れていけるように、ペットの動向にも注目してあげてください。